宝石商リチャード氏の謎鑑定1〜9感想

※ネタバレあり
「とにかく私を信じて読んでほしい」
友人におすすめされ一気買いした
宝石商リチャード氏の謎鑑定1〜9巻

あらすじ
《酔っ払いに絡まれていた美貌の外国人・リチャード氏を助けた中田正義。彼が国内外に顧客をもつ敏腕宝石商と知り、祖母の遺産、ピンク・サファイアの鑑定を依頼する。その宝石が秘めた切ない“謎”がリチャード氏により解かれるとき、正義の心に甦るのは…?美しく輝く宝石に宿る人の心の謎を鮮やかに解き明かすジュエル・ミステリー》
1〜6巻までは短編でオムニバス
7巻からは長編

正義は公務員を目指している大学生、名前の通り正義感があり真っ直ぐな性格、たまに突っ走り過ぎるところもあるけれどとてもいい奴
リチャードは絶世の美貌の持ち主のイギリス人、世界各地の十か国語以上の言語を使いこなす
ロイヤルミルクティーと甘いものが好き

結論から言うとこの作品に出会えてよかった
おすすめしてくれた友人に感謝のキスを贈りたい
1巻から順繰りに感想をしたためていきたいなと思ってたんだけど
数少ない私の言語野の引き出しに
この作品の感想を語る語彙が無い
どんだけ棚をひっくり返しても入ってない
とにかく正義とリチャードのやりとりでこちらはずっとニヤケ面

例にだすと1巻140ページ
「お前、しかめっ面してる時でも、びっくりするほどいい男だと思うよ」
これは仏頂面のリチャードに、正義が微笑みながら言った一言
これが1巻の140ページ
こちらこそ本当にびっくりした
この発言をうけてリチャードは正義に、そのような不用意な賞賛をやめるよう、反省を促す為、わざと思わせぶりな態度をとるんだけど
この、やられたらやり返す、いちゃつきの半沢直樹みたいなのはこの1巻以降延々と見せ付けられるので覚悟した方がいい
1巻164ページなんか正義がリチャードに
「これまでも無自覚に誰かを褒め誤解されてきたのではないか」と問われた際「大多数の日本人と同じようにシャイなのでそれはない、お前は感動的に美しいからだ」と説明したあと、「正直お前の顔面レベルは人間やめてると思うし、いい天気っていうより、ダイヤモンドダストとかオーロラみたいな」とか言い出したりする
このあたりで気づきが確信にかわる、正義の語彙は半端ではない
幼い頃絵本のかわりに広辞苑読んでもらってた?
ダイヤモンドダストとオーロラをくらったリチャードは「もうしばらく黙っていなさい」と押し殺した声で言って奥の部屋に消えた
リチャードは気持ちが大きくなるとすぐ奥の部屋に消えるところがある、これからもどんどん消えていくしその姿が身悶えするくらい可愛い
正義はとにかく天然の人タラシ的なところがあり
リチャードに対し「宝石!生きた宝石だよ!」とか言っちゃう
リチャードを例える際、イケメンとかハンサムとか美男とか美人とか、いろいろ言葉はあるが全部しっくりこない、「そこにあるだけでいい」て感じだ、と考え正義が導き出した答え、それが「生きた宝石
私が合コンで言われた「おどるほうせきに似てるね、ドラクエの。」とは全くわけが違う

とにかくこのような「言葉にできない」がてんこ盛りで
1巻〜4巻で、「は?すごっ」となる
でもまだまだそんなもんじゃない
5巻〜9巻はもう、とんでもないことになっている
1巻〜4巻で、「いやいや、ないない。これ以上のときめきはない」て思う、そんなことない、ある。これ以上のときめきが5巻〜9巻にある。とくに9巻、こちらの想像を遥かに凌駕してくる
いうてもう三十路、いままで沢山の作品をみてきた、この私の心臓を高鳴らせることできるかな?みたいに斜に構えてたらやばい、殺される。
何回も止まったもん、心臓
申し訳ない、9巻が想像を絶するっていったけども8巻も凌駕してくる、あと7巻も、あと6巻も、嘘、全部、全部が超えてくる

〜ランキング形式で発表します〜

【中田正義・天然たらし発言ランキング】
5位・6巻266ページ
「…お前の顔を見てると、「きれいだなあ」ってこと以外どうでもよくなる。怖くないよ」
正義は実の父親に難があるんだけど、そんな父親と直接会うことになった際、リチャードに「会うのはこわいですか。」と問いかけられて返した一言
こんなこと言われた日にはシンプルに心臓が止まる、ちなみにリチャードは「私を褒める元気があるならいい」的なことを言って受け入れてた。物凄い包容力を見せつけられて、私は赤ちゃんになった

4位・4巻288ページ
「甘いもの見てにこにこしてる時の顔なんかさ、虹のかかってる空みたいで清々しいくらいきれいだぞ」
俺は上機嫌なお前を見るのが好きなんだ、と言ってからのこの台詞
これをくらったリチャードは応接間にひっこんだ

3位・4巻274ページ
「本当にないって。お前と電話できるってだけで奇跡みたいに嬉しいんだぞ。だって連絡がとれるってことは、世界のどこにいても、お前が元気にしているかどうか、ちゃんとわかるってことだろ。嬉しすぎてスマホが手放せなくなりそうだよ」
リチャードが「離れている間は電話しましょう」と正義に提案をしたところ「照れるな」というので「不満があるのか」ときいたところこの返し
これをまともにくらったリチャードはbotになってしまった

2位・4巻297ページ
「あ…ごめん、今のお前が、あんまりきれいだったから見惚れてて…言葉が頭に入ってこなかった。」
リチャードが大事なことを長々と説明してくれた後にこの台詞
これには私も大層驚いてしまって「きいてなかったの〜!?」って声にだした

1位・8巻94ページ
「俺もすごく嬉しいよ。言うまでもなさすぎて、言ってなかっただけだ。今日も世界一きれいだな」
説明不可能

【中田正義・豊かな表現ランキング】
5位・1巻10ページ
「全てのパーツを世界で一番美しい人間から集めてきて、奇跡的なバランスで、調和させたような生き物だった」
リチャードを一目みた時の正義の感想
ページ数に注目してほしい
1巻の10ページよ、初手でこの語彙力
1巻でこれ?ついていけるだろうか、この世界のスピードに。そんな一言

4位・3巻153ページ
「宝石の化身のようなリチャードが着ると、鬼に金棒を持たせて2丁拳銃つきのベルトを与え日本刀までおまけしたような最強装備になるらしい。美貌の暴力だ。」
タキシードを着たリチャードをみてこの例え
鬼に金棒を持たせて、2丁拳銃ついたベルトつけさせて、日本刀持って…持たせすぎ!田治見要蔵か!
ちなみにこの後、黙ってる正義にリチャードが「おや?褒めないんですか?」みたいにすまし顔したら
「美しすぎて言葉失ってた。その格好でふらふら出歩かないほうがいい、車の運転手が事故するから」
というやりとりをしたので、私はひっくり返った

3位・5巻12ページ
「あの店主の美貌は正直人間を止めているレベルである。見るだけで癒される。高級なクリスタル・ガラスのシャンデリアの輝きが色あせて見えるくらい美しい。」
あ〜あ、とうとうシャンデリアの輝きが色褪せちゃった

2位・5巻99ページ
俺が顔を上げると、リチャードがまた、澄み切ったブルーの瞳で俺をじっと見てきた。何だろう。魔法の泉のような青だ。待っていると女神様が出てきて願い事は何ですかと尋ねてくれるような。
シラフでその発想はでん

1位・7巻225ページ
「リチャードはややあってから、小さくため息をつき、目尻を下げ、口角をわずかに持ち上げた。蜂蜜のような微笑みだ。」
とうとう笑顔が蜂蜜になってしまった
さぞとろけるように甘いんだろうと思う
ちなみにこれを勝ち得るためなら、貴婦人だろうが男爵夫人だろうがシャンパン飲み比べでも殴り合いでもするだろう。って正義は言っていた
私も参戦する 拳を使った喧嘩などしたことないが、ホーリーランド読んだことあるしいけると思う

【わかる私もそうなるランキング】
5位・4巻271ページ
空港にて口笛を吹きし者
空港にて、銀座に戻りますと宣言したリチャードに喜ぶ正義
「雄たけびは結構。それで返事は?イエス?」
「イエス!イエス!絶対にイエスだ!」
「返事は一度でいい!」
『ヒューッという口笛が遠くから聞こえてきた。よくわからないが祝福されている。』
わかる私も絶対に吹く

4位・3巻142ページ
資生堂パーラーのお姉さん
あと二歩でテーブルに苺パフェを運ぶことができるのに
「私を一体なんだと思っているのです」
ロイヤルミルクティー過激派の、気難しいけど時々可愛い甘味大王、じゃないのか」
上記のふたりのやりとりが腕にきたのかパフェの頭頂部の苺を何度も落とし、その度に厨房に引き返してたお姉さん
わかる私も絶対に落とす

3位・3巻156ページ
骨董屋の伊藤
正義がリチャードに、機嫌が悪くなってきたら舐めろよ、といってミルクティー味の飴を渡そうとしたところリチャードが「感謝しますが…」としぶったので「目の保養代」と説得して手渡したんだけど、そのやりとりの後に『これがいつものことなんですよ』という感じで正義が伊藤にアイコンタクトしようとしたら、伊藤はずっと窓の外をみていた
わかる私も窓の外みる

2位・6巻97ページ
あやめちゃんと板垣
タレントを辞めたいと言うあやめちゃんと
あやめちゃんとお付き合いしているマネージャーの板垣。
辞める辞めないで言い争いをしていた際
「息をするように私を褒める男に「君はできる」と言われても信用できない」といったあやめちゃんを、説得しようと小芝居を打つ正義
「リチャード、いつも、いつも、きれいだなあって褒めて、悪かったよ」これを皮切りにふたりの仲睦まじいやりとりを見せつけられた結果あやめちゃんと板垣は仲直りした
わかる私も仲直りする
ちなみに「他人ののろけ話をきくのは久しぶりで楽しかった」とあやめちゃんが感謝した際
「何の話だろう」と正義は言ってた
素直になんだこいつと思った

1位・2巻197ページ
カウンターのお姉さん
バレエを観ることになり、ドレスコードのある席だから服装や髪に問題がないかチェックしてください。とリチャードに言われた正義が
「どこも問題ないよ。いつも通り世界一きれいな男が俺の目の前に立ってる」と言い放った、その瞬間ものすごい勢いでむせたカウンターのお姉さんが堂々の一位
わかる私もむせる

ランキングをみると
リチャードってばやられっぱなしじゃんて思うかもしれないけど、書ききれないだけでそんなことはない、しっかり年上としての矜持をみせやり返している
ただそのやり返しがあまりに強烈
たまにお互い熱くなりすぎて
「へへ…もじもじ…」みたいな空気になるときあって
こちらが「ああ〜!」とか叫んで身悶えすることになる

リチャードと正義のやりとりに悶えがちだけどストーリーももちろんとてもよくて
とくに谷本さんっていう女の子、彼女の言葉は響くものがある
宝石商っていままで表現するのが難しかった感情を、綺麗にまとめて言葉にしてくれるから納得しやすい
そうしてくれると生きやすくなるよね
宝石商という作品はありのままの自分で生きていいって教えてくれる

ちなみに26編も短編が載っているファンブックもでてて
こちらも最高の一言
表紙をめくるとふたりの全身のピンナップをお見舞いされるから腹に力入れておかないとあまりの破壊力に無限の彼方まで吹き飛ばされて終わりになってしまうから注意してほしい
10巻が6月にでるんだって
もうすぐ過ぎて嬉しい
限定版には正義とリチャードのアクリルスタンドがついてくる
在宅勤務になってから精神安定のためPC前に7巻を立てかけてあるんだけど換わりにアクリルスタンドを立てることができるってわけ

7巻の表紙世界一凄くない?
こんなリチャードが目の前にあらわれでもしたら私なんかは絶対不躾にジロジロとみてしまう
そこを正義に遮られたい、そして恥を知りたい